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赤司電機株式会社は、発電機負荷試験装置・ロードバンク、クリープ試験機、負荷抵抗器、金属抵抗器などを開発するエキスパートです。
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今回は発電機負荷試験装置や負荷抵抗器の性能表示である「負荷容量」についてお話します。

負荷容量の標記は慣れない方には取り付きにくいのではないでしょうか。たとえば、弊社の乾式発電機負荷試験装置(ロードバンク)の負荷容量を表記する場合、1875 kVA (1500 kW / 1125kvar) といったように、3つの異なる数字がでてきます。これらの数字は、それぞれ下記のような意味を持っています:

★1875 kVA →皮相電力S(見かけ上の電力)
★1500 kW →実効電力P(実際に消費する電力、有効電力)
★1125 kvar →無効電力Q(無駄になっている電力)

このように3つの表記が存在するのは、試験電源が交流の場合です。

直流であれば、表記としては一つだけ:

★1500 kW

のようになります。

ではなぜ、交流だと3つの表記になるのでしょうか。それは、交流の場合、電圧に対し電流に「位相の遅れ」が生じるため、試験電源を全て消費しきれないからです。このあたりは「力率:RLC三兄弟と寄り道の話」でもご紹介しています。そちらも是非ご参照下さい。

電力は電流と電圧の積ですから、「位相の遅れ」があると、その全てを消費することができません。

そこで、位相遅れがないと考えた場合の電力(皮相電力)、実際の消費電力(実効電力)、消費しきれず無駄になる電力(無効電力)と3つの表記が出てくるわけです。

「位相の遅れ」がφとすると、この3つの表記はお互いに下記のような関係があります:

実効電力P[W] = 皮相電力S[kVA] × cosφ
無効電力Q[var] = 皮相電力S[kVA] × sinφ

位相の遅れが90°の場合、sin 90°=1 ですから、全ての電力が無効電力となります。
位相の遅れが0°の場合、cos 0°=1 ですから、全ての電力が実効電力となります

すなわち、位相の遅れにより、供給された電力が無駄になったり有効に消費できたりするわけです。

この「無駄になったり有効に消費できたりする度合い」を表す数値を力率:PF(Power Factor)といい、位相の遅れφを用いて下記のように計算します:

力率:PF = cosφ = 実効電力P[W]/皮相電力S[kVA]

力率(PF)は位相の遅れにより 0~1 の間で変化します。
力率(PF)=0 のとき、全ての電力が無効電力となります。
力率(PF)=1 のとき、全ての電力が実効電力となります。

冒頭でご紹介した弊社の乾式発電機負荷試験装置(ロードバンク)の負荷容量は
力率(PF)=0.8
皮相電力S = 1875[kVA]
の場合の値になっています。すなわち、

実効電力P = 1875[kVA] × 0.8 = 1500[kW]
無効電力Q = 1875[kVA] × 0.6 = 1125[kvar]

となっています。

このように力率により装置の設計が異なりますが、弊社ではご指定の力率にて負荷試験装置を設計いたします。力率の異なるご注文に対しては当然、負荷容量も変わってきます。そのため、お見積もりご依頼の際は最初に必ず力率調整の有無をお尋ねしております。お問い合わせの際にご留意いただけますと幸いです。

掲載:2007年1月31日

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