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赤司電機株式会社は、発電機負荷試験装置・ロードバンク、クリープ試験機、負荷抵抗器、金属抵抗器などを開発するエキスパートです。
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 発電機負荷試験装置・PDFカタログダウンロード

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 大容量金属薄膜抵抗器(負荷抵抗器)

 赤司電機株式会社(日本語ホームページ)

 Akashi Electric Machinery Co.,Ltd. (English)


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前回に引き続き、弊社の古い資料(1968年発行)により、可飽和リアクトルとは何か、分かりやすくお話します。

今回は力率調整の基本概念についてです。簡単な数式を含み、理解するためには高校程度の物理・数学が必要です。では、引用です:


§2 可飽和リアクトルの動作説明

第2図

第2図に示すようにそれぞれに交流出力巻線をもつ2個の鉄心を合わせた真中の脚部に直流制御巻線をまきそれに直流電流を流し鉄心を不飽和から飽和まで変化させリアクタンスLを
 ∞ → 0
へと無段階に変化させることができる。

但し鉄心の励磁電流が多少流れるため、またリアクトル自身の巻線インピーダンスがあるためリアクタンスLは完全∞および完全0とはなりえず多少残る。

可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させるために流す直流アンペアターンと交流アンペアターンの間には等アンペアターンの法則により下式が成り立つ。

NLIL = NCIC  … (3)
但し
NL  : 交流出力巻線巻数(回数)
IL  : 交流出力電流(A)
NC  : 直流制御巻線巻数(回数)
IC  : 直流制御電流(A)
したがってある可飽和リアクトルについて考えると、NL および NC はそのリアクトル固有のものであるためこれは電気的には変化しないので IC を変化させると IL もそれにつれて変化しいつも(4)式の関係が保たれるように考えられたものである。


 ※文字使い・改行などを一部修正し、数式は新たに描き直しています。図表は当時の資料をスキャンしたものです。

(次回「その4」に続く)

 掲載:2007年1月24日

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前回に引き続き、弊社の古い資料(1968年発行)により、可飽和リアクトルとは何か、分かりやすくお話します。

今回は力率調整の基本概念についてです。簡単な数式を含み、理解するためには高校程度の物理・数学が必要です。では、引用です:


§1 発電機負荷力率調整について


三相交流発電機の出力は
式(1) (kW) … (1)
但し、
P : 発電機定格出力 (kW)
V  : 発電機定格電圧 (V)
I  : 発電機定格電流 (A)
cos φ  :力率
で表される。
(1)式より
式(2)  … (2)
となる。
一般に交流回路においてリアクタンスと抵抗に流れる電流の関係は次のとおりである。
式(3)  … (3)
但し、
L : リアクタンス
R : 抵抗
IL : リアクタンス電流
IR : 抵抗電流
I : 総電流

第1図(a)(b)

第1図(a)の回路に流れる電流のベクトル図は(b)で表される。(b)図中 cos φ がこのときの回路の力率である。
したがって力率を調整するには IL および IR の大きさを加減することにより所要の力率および負荷電流が得られる。
これらのことから可変抵抗および可変リアクタンスがあれば自由に遅れ力率の負荷が得られ発電機の負荷試験ができる。
この目的にかなうものとして従来は可変抵抗器として水抵抗器が使用されていたわけですが、これだけでは遅れ力率を得ることができません。そのためには可変リアクタンスと併用しなければならない。
そのために開発されたのが負荷力率調整用可飽和リアクトル装置であり、電気的に小電力で遠方操作により可変リアクタンスとして、使用できる特長がある。


※文字使い・改行などを一部修正し、数式は新たに描き直しています。図表は当時の資料をスキャンしたものです。

(次回「その3」に続く)

 掲載:2007年1月23日

可飽和リアクトルとは何か、弊社の古い資料を使って分かりやすくお話します。

可飽和リアクトルとはどんな装置であるか説明した39年前(1968年)の古い資料が弊社にあります。「船舶用交流発電機負荷試験用/可飽和リアクトル設備設計指針」(昭和43年7月16日作成)です。四隅が赤茶けたA4サイズの青焼きで、表紙・別紙合わせて全19頁です。当時の社名「赤司電機器製作所」(現在は「赤司電機株式会社」)と所在地「北九州市」(現在は「遠賀町」)が表記されており、歴史を感じさせます。

弊社の古い資料(1968年作成)・表紙


今回は冒頭部分の引用です:


はじめに

 船舶用発電機はNKおよびロイド規格等では遅れ力率0.8で試験することという規定がありますが、従来船内試験をする場合に遅れ力率0.8となるような適当な負荷がなかったため水抵抗器等で力率1.0にて試験していたのが実情のようである。これでは実際の負荷と合わないし、規程上不具合であるため上記水抵抗器と併用して可変リアクタンスとして可飽和リアクトル装置を用いれば自由に遅れ力率の負荷が得られ規格通りの試験ができる。また遮断器および過電流保護リレー等の働作試験も、可飽和リアクトルにより電流を加減して自由にできる。このような用途に用いる可飽和リアクトル装置について述べ各位のご参考に供したい。

弊社の古い資料(1968年作成)・はじめに


※文字使い・改行などを一部修正しています。力率については、前回の電機こぼれ話「力率:RLC三兄弟と寄り道の話」をご参照下さい。

(次回「その2」に続く)

掲載:2007年1月22日

力率とは何でしょう?分かりやすいようにお話を作りました。

【お話】RLC三兄弟と寄り道の話

昔々、あるところにRLCという小学生の三兄弟がいました。RLCの三人は小学校から家まで、いつも別々の道を通って帰っていました。

まじめな長男のR君は、寄り道せずまっすぐ家に帰っていました。
山が好きな次男のL君は、山に寄り道してから家に帰っていました。
海が好きな三男のC君は、海に寄り道してから家に帰っていました。

いつも寄り道するL君とC君に困ったお母さんは知恵を使い、L君とC君に言いました。

「LとCは今日から二人一緒に帰ってきなさい」

L君とC君は仕方なく一緒に家に帰ることにしました。
L君が言いました。「ねえ、山に寄り道して帰ろうよ!」
C君が言いました。「ねえ、海に寄り道して帰ろうよ!」
しかし、山と海は正反対です。一人がどちらかに寄り道しようとすると、もう一人が正反対に寄り道しようとして引き戻します。帰り道で二人はずっとそうやって海へ山へと引っ張り合いし続けました。そして気づいてみるとお母さんの知恵はうまくいき、二人は海にも山にも寄り道せず、まっすぐ家に帰ってきましたとさ。


【解説】

交流電力では、寄り道の好きな小学生が電力を無駄にします。力率とは、寄り道せずまじめに家に帰る度合いを表す数字です。寄り道せずまっすぐ家に帰るR君の力率は1.0(100%)です。寄り道が多ければ多いほど力率は低くなります。一般的な機器の力率は0.8(80%)程度です。力率改善とは、寄り道好きなL君とC君を一緒にして寄り道しないでまっすぐ帰るように調整することです。


【もっと解説】

交流では負荷の性質は下記の3種類あります:


1)電圧と電流が同じタイミング(同相)で作用する抵抗(resistance)
  ヒーター、電球、海水等で、記号 R で表します。

2)電圧より電流の位相が90°遅れて作用する誘導性抵抗(inductive reactance)
  モーター、リアクトル、コイル、変圧器等、記号を L で表し、リアクタンスと言います。

3)電圧より電流の位相が90°進んで作用する容量性抵抗(capacitive reactance)
  コンデンサが主たるもので、記号 C で表し、単にコンデンサ(容量)と言います。


このように、負荷の性質によって電圧と電流に位相差が生じます。位相差があると、電圧と電流の積である電力も変化して「寄り道」してしまい、位相差の分だけ無駄が生じます(無効電力)。「位相」というのはベクトルの方向です。コイル(L)とコンデンサ(C)ではこの位相(方向)が正反対になります。冒頭の「お話」ではこれをたとえて、Lの位相が「山側」、Cの位相が「海側」となっています。抵抗(R)は位相差がないので無効電力(寄り道)もありません。

掲載:2006年12月8日

大容量金属薄膜抵抗器 LDR-STE 概略図面と寸法(3相型)
※抵抗ユニット単体の寸法です。ケースを含めた最終製品はこれより大きく重くなります。

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